Intel、18Aプロセスの出荷遅延でFoundry再建の道が険しくなる
インテルのファウンドリ部門の立て直しは、階段を転倒しながら下りるのを止めるようなものだ。長年の技術的遅れと戦略的失敗により、同社は半導体業界のリーダーから後れを取る危機に瀕していた。かつては自社設計と製造を両立する強みを持ち、CPUとファウンドリの両方を内製で行っていたが、AMDやIBMが製造部門を売却する中、インテルは10ナノメートル以下のプロセス開発で遅れを取った。特に、極端紫外線(EUV)リソグラフィーの導入に失敗し、20Aプロセスは2023年9月に中止。代わりに18Aプロセスの量産に集中したが、当初は実用化に向けた収率(yield)が不十分で、2024年中に「業界水準」の収率に到達する見通しと、CFOのデイビッド・ジンスナー氏は説明した。 18Aは2026年以降、長期間にわたり大規模生産が予定されており、14Aはその次世代プロセスとして、2025年以降の展開が目指されている。しかし、14Aの成功には外部顧客の採用が不可欠。インテルは、14Aの開発に「非常に前向きな」顧客の関与があるとCEOのリップ・ブー・タン氏が明言。この顧客は、インテルの14Aプロセスの採用を強く求めており、戦略的価値が高まっている。また、AWSとの共同開発も検討され、TraniumやInferentia AIプロセッサ向けの18Aチップ開発が進む見通し。 一方、インテルの自社製品も遅延が相次ぐ。18Aプロセスを採用する「クリアウォーターフォレスト」EコアXeon 7は2025年1月に2026年への延期が発表され、パッケージングの複雑さが理由とされた。PコアXeon 7「ダイアモンドラピッズ」も2026年後半の出荷予定。こうした遅延は、18Aプロセスの信頼性に影を落とす。 財務面では、2024年第3四半期に136.5億ドルの売上、42.7億ドルの純利益を達成。前年同期の170億ドルの損失から回復。NVIDIAからの50億ドルの出資や、米政府の111億ドルの出資で、現金残高は309.4億ドルに。しかし、ファウンドリ部門は依然として巨額の損失を計上。収益構造の改善は、18A・14Aの収率向上と、新プロセスのスムーズな導入にかかっている。 インテルは、TSMCの競争に追いつくため、ステップを飛ばさず、一歩一歩の積み重ねを重視。14Aの成功は、インテルの存続と、米国半導体の地政学的戦略的意義に直結する。今後、米政府の支援や、NVIDIAの14A採用が実現すれば、インテルの再建は一気に加速する可能性がある。
