Cluelyのリー氏が明かす「炎上戦略」の真実:AIスタートアップのバズ発信術
Cluelyの共同創業者ロイ・リー氏は、スタートアップのマーケティングにおいて「ragebait(怒りを誘う戦略)」の重要性を強調した。2025年のDisruptカンファレンスで彼は、「深層技術(deep tech)でない限り、distribution(流通戦略)に真剣に取り組むべきだ」と訴えた。しかし同時に、そのような戦略はすべての起業家に適しているわけではないと指摘。「優れたエンジニアは、たいていユーモアセンスに欠け、コンテンツクリエイターとしての才能を持たない。本質的に、多くの人はバズを起こす可能性が低い」と語った。 CluelyのAIアシスタントは今年4月、『どんな試験でも不正に使える』という衝撃的な主張で話題となったが、その後、プロクタリングサービスが実際にはその使用を検出できることを示し、主張は否定された。それでも同社はわずか数か月でアンドリーセン・ホロウィッツから1500万ドルを調達し、AIアシスタント市場で注目を集める存在となった。 リー氏自身は、その成功の鍵を「意図的な議論を引き起こす表現力」にあると説明。「私は常に議論を呼ぶような形で自分を構築している。異なることをする。そして、すべてに自分の声をフィルターとして通す。その声は、多くの人に怒りを覚えるものだ」と語った。彼のマーケティング理論は、SNS時代における「注目=唯一の通貨」という認識に基づく。彼は「レピュテーションは過去のもの。ニューヨーク・タイムズのように信頼を守ろうとしても、サム・アルトマンが恋人の話をして、イーロン・マスクが暴走する世界では、意味がない」と指摘。代わりに「極端さ」「本物らしさ」「個人性」が求められると強調した。 しかし、この戦略の実効性については不透明だ。同社の売上やユーザー数について問われたリー氏は「好調ではあるが、世界一の成長率ではない」と曖昧に答えた。また、収益データの公表は「良い時も悪くても、話題にされてしまう」とし、自らの戦略的配慮を示した。
