エロン・マスク企業間の密接な連携が加速、TeslaとSpaceXの共同開発から車載AI「Grok」の搭載まで
エロン・マスク氏が率いる複数の企業が、技術、人材、資金、製品の面で深く連携していることが明らかになった。マスク氏が経営する主要企業は、テスラ、スペースX、ボーリング・カンパニー、ネューラリンク、そしてX(旧ツイッター)を吸収したxAIの5社。過去3年間で、これらの企業間ではソフトウェアの共有、資材の供給、巨額の相互投資が進んでおり、マスク氏を中心にした「エロン・インク」と呼ばれる統合的な企業ネットワークが形成されている。 特に顕著なのは、人材の流動性だ。2022年、マスク氏がXを買収した直後、約50人のテスラエンジニアがXのコードレビュー体制の改善のために一時的に転籍。マスク氏はこれが「自発的な協力」と主張したが、監査の観点から企業ガバナンスの問題も指摘されている。 技術面では、スペースXがテスラの次世代ロードスターに「冷気噴射エンジン」を搭載すると発表。これはスペースXのロケット技術を自動車に応用する「テスラ×スペースX共同開発」として注目されている。また、スペースXはテスラのエネルギー貯蔵システム「メガパック」を多数購入し、ロボット用電源に活用。一方、ボーリング・カンパニーは、ラスベガスやテキサスのトンネル内にテスラ車を導入し、乗客輸送に使用している。 さらに、テスラはxAIに20億ドルを投資する契約を締結。この資金はxAIのデータセンター構築やエネルギー需要の賄いに使われる。同時に、テスラ車両にxAIのAIチャットボット「グロク」を統合。ドライバーがナビの目的地をAIに直接指示できるようになり、開発中の人型ロボット「オプティマス」もグロクを搭載する見込みだ。 こうした動きは、マスク氏の「未来ビジョン」を実現するための垂直統合戦略と見なされる。一部のアナリストは、こうした連携が投資家の期待と一致しており、テスラの株価にも好影響を与えていると指摘。一方で、企業の意思決定がマスク氏に集中しすぎているとの懸念も根強い。マスク氏の企業群は、単なる企業の集まりではなく、「エロン・インク」としての一体性を強めつつある。
