コアウェイブ、メタとの140億ドル契約で株価13%上昇。チップの無料提供は幻想。
Meta PlatformsとOpenAIの主な違いは、資金調達の仕組みにある。Metaは広告収入を基盤にAI投資に資金を投入できる一方、OpenAIは依然として支出が収入を上回る「赤字拡大型」の運営を続けている。この構造的差は、長期的にAI開発の持続可能性に大きな影響を与える。Metaは2025年のインフラ投資計画として約720億ドルを予定しており、7年間で5040億ドル規模の資本支出が見込まれる。そのうち、2031年までのデータセンター・GPU容量契約としてCoreWeaveと142億ドルの契約を締結。これはMeta全体の投資額の約3.3%にすぎないが、同社が広告収入(2031年には約4400億ドル見通し)で支える体制を示している。 一方、OpenAIは資金調達の依存度が高まっており、2025年3月にCoreWeaveと119億ドル、5月にさらに40億ドル、そして先週に65億ドルの追加契約を締結し、合計224億ドルのAIインフラ契約を構築。このうち、CoreWeaveはOpenAIのモデル訓練に必要なGPUリソースを提供するが、資金は債務を背景にしている。同社は既に913億ドルの負債と141億ドルのリース負債を抱え、最近では180億ドルの新規債務を発行。Oracleも同様に、AI向けデータセンター設備の供給にあたって資金を借り入れており、収益性の確保が課題となっている。 OpenAIは、Texas州Abileneに「Stargate I」と呼ばれる大規模データセンターを建設中。Crusoeが開発し、8棟からなる施設は合計1.2ギガワットの電力消費能力を有し、最大40万のGPUスロットを備える。第一フェーズでは、Nvidiaの「Grace」CPUと「Blackwell」B200 GPUを搭載したGB200 NVL72システムが稼働。100 Rackで約100メガワット、14,400個のGPUチップレットを実装し、FP4精度で約11.52エクサフロップスの計算性能を発揮。第二フェーズでは、より高性能な「Blackwell Ultra」GPUを搭載したGB300 NVL72システムが予定されており、性能は50%向上する見込みだが、消費電力も10~20%増加する。 さらに、Nvidiaは2025年後半に「Vera-Rubin」ハイブリッドCPU-GPUシステムを発売予定。これはArmベースのVC100プロセッサとGR200/GR300GPUチップレットを統合し、OpenAIが最初の顧客となる可能性が高い。この技術革新により、GPUの「スロット数」ではなく「チップレット数」での計測が標準化される見込み。 Metaは自社のAI推進戦略として「Hyperion」という超大型スーパクラスタを計画。マンハッタンの敷地面積を覆う規模とされ、AI研究者一人あたりの計算リソースを業界最高水準に設定する。こうしたインフラの拡充は、MetaがAI分野での競争優位を確保するための戦略的投資であり、広告収入による持続可能な資金循環がその基盤となっている。一方、OpenAIとそのパートナーは、資金調達の難しさから、今後の成長の持続性に懸念が残る。
