クアルコム、Snapdragon X2 EliteでIntelに挑戦、WindowsPC向け新プロセッサとAndroidチップでゲーム性能を刷新
2025年、クアルコムはWindows on ARMの進化を加速する二つの新フラッグシッププロセッサ「Snapdragon X2 Elite」と「Snapdragon X2 Elite Extreme」を発表。これらは、2024年に初登場したSnapdragon Xシリーズの後継であり、3nmプロセスを採用したOryonアーキテクチャのCPUと、グラフィックス性能を大幅に強化したAdreno GPUを搭載。X2 Elite Extremeは18コア(うち12コアが4.4GHz以上、最大5GHzで動作)で、前世代比で最大31%のCPU性能向上を実現。GPUは1.85GHzで、パフォーマンス/ワット比が2.3倍に改善され、レイトレーシングを含むリアルなグラフィックス処理が可能に。また、80TOPSのNPUを搭載し、AIタスクの処理能力が37%向上。これらは、Intel Core Ultra 9 285HやAMD Ryzen AI 9 HX 370といった競合チップと比較しても優位性を示すとクアルコムは主張している。 一方、Android端末向けの「Snapdragon 8 Elite Gen 5」も発表され、2つの「プライムコア」が4.6GHzを達成し、グラフィック処理とマルチタスク性能を強化。Adreno GPUは1.2GHzで、前世代比で23%の性能向上。高帯域メモリ「High Performance Memory」により、ゲームや動画編集時のレイテンシを低減。さらに「Snapdragon Audio Sense」で音声認識とノイズキャンセリングの精度が向上し、スマートフォンでのポッドキャスト制作も現実味を帯びる。5G mmWave、Wi-Fi 7、4K 120Hz出力など、最新通信・表示機能も標準搭載。 ただし、両チップの最大の課題はアプリ互換性。ARMアーキテクチャはIntel/AMDのx86と異なり、多くのアプリが直接実行できない。Adobe Creative SuiteやRazer SynapseのARM対応は進むものの、AutoCADや一部ゲームは未対応。Microsoftの「Prism」エミュレータや、ValveによるARM用互換レイヤーの開発が進むが、特にオンラインゲームのアンチチート対応が大きな壁。2026年初頭にX2 Elite Extreme搭載PCが登場予定で、CES 2026でARMベースの軽量ハイエンドノートが目立つ見込み。 クアルコムはAIを強調するが、現時点では「オンデバイスAI」の実用的価値は限定的。GoogleとのAndroid for PC連携も示唆され、ChromeOSとの統合が来年以降に期待される。名称の混乱(「Gen 5」は第5世代ではなくOryonアーキテクチャの3世代目)も指摘され、マーケティングの分かりやすさに課題がある。しかし、性能面では確実な進化を見せ、2026年以降のWindowsとAndroid端末のパフォーマンス・効率の新基準を提示している。
