xAI、社員の顔と声データをAI恋人「Ani」の学習に強制利用へ
Elon Musk氏が率いるAI企業xAIが、社員の生体情報を収集してAI恋人「Ani」の学習に利用していたことが、ウォールストリートジャーナルの報道で明らかになった。Aniは、金髪のツインテールをしたアニメ風のアバターで、NSFW設定を備えたチャットボット。Xの月額30ドルの「SuperGrok」サービス会員向けに夏季にリリースされた。The Vergeのヴィクトリア・ソン氏は、Aniを「現代版の電話セックスサービス」と評している。 報道によると、xAIは4月の社内ミーティングで、社員に自身の顔や声といった生体情報を提供するよう求めた。同社法務担当のリリー・リン氏が、社員に対し「プロジェクト・スキッピー」という機密プロジェクトの一環として、AIコンパニオンの自然な振る舞いを学習させるために、自身のデータを提供することが「業務上の義務」と説明した。AIチューターとして任命された社員は、顔や声の使用、複製、配布を永久的かつ全世界的に許可する「非独占的、再ライセンス可能、無償のライセンス」を付与する同意書に署名する必要があった。 このデータはAniの他、Grokの他のAIアバターの訓練にも使われる。しかし、一部の社員は、自分の顔や声が他の企業に販売され、深層偽造(deepfake)動画に使われる可能性に懸念を示した。また、AIが「ワフイ(理想の女性キャラクター)」に似ており、性的な雰囲気を持っている点も、不快感を生じさせた。しかし、同社は「xAIのミッションを進めるための必須条件」として、データ提供を強調した。 この報道は、AI開発における個人情報の利用と倫理的リスクを改めて浮き彫りにしている。xAIは、技術的進化と個人のプライバシー保護のバランスをどう取るか、今後の注目が集まる。
