AIスタートアップ、上半期に1040億ドルを調達 だが上場や買収は限られる
AIスタートアップは今年前半に1043億ドルを調達したが、買収や上場などの「エクジット(退出)」は厳しい状況が続いている。PitchBookのデータによると、米国でAI関連スタートアップが集めた資金は前半で1043億ドルに達し、2024年の年間全体(1044億ドル)とほぼ同等となった。全体の約2分の1にあたる米国ベンチャーキャピタル投資がAIに集中しており、昨年比で49%から65%へと増加している。 最大級の資金調達は、OpenAIやAnthropicなど既存のAI大手が主導している。OpenAIは3月にソフトバンク主導で400億ドルを調達し、同社の競合となるAnthropicも35億ドルを調達した。また、OpenAI共同創業者のイリヤ・サツケバー氏が設立したSafe Superintelligenceは20億ドルを調達した。一方、メタがスケールAIに143億ドルを投資したのは、CEOのアレクサンドル・ワン氏らの獲得を目的としたもので、早期投資家にとっても一種の退出と見なされている。 しかし、全体的なトレンドは資金の流入が多すぎる一方で、退出の規模は限定的だ。前半にVC支援のエクジットは281件で合計360億ドルにとどまり、これは1043億ドルの調達額に比べて大幅に少ない。例えば、進化IQの買収(約7億ドル)やスライドインシュアランスの上場(23億ドルの評価額)が代表的な例である。 PitchBookの上級研究アナリスト、ディミトリ・ザベルイン氏は、「現在のエクジットの傾向は、頻繁だが規模が小さい買収が中心で、高額なIPOは少ない」と分析している。CoreWeaveのIPOは例外で、第1四半期末に上場した後、第2四半期に株価が340%上昇し、現在の評価額は630億ドルを超えている。 AI以外の分野では投資が鈍化している。Tracxnのデータによると、米国のフィンテック分野の資金調達は前半に42%減って105億ドルにとどまっている。クラウドソフトウェアや暗号資産分野も同様に低迷している。 ザベルイン氏は、景気や金利の改善によりIPO活動が活発化する可能性があると述べている。AI分野への投資意欲は依然として高いが、エクジットの選択肢が限られている状況が続く見込みだ。
