ChatGPT、GPT-5.1で進化 1000万企業利用、音声・音楽生成も拡張
2025年、OpenAIのAIチャットボット「ChatGPT」は3億人を超える週間アクティブユーザーを達成し、世界中で急速に普及した。2022年11月のリリース以来、ChatGPTは単なるテキスト生成ツールから、コード作成、研究支援、オンラインショッピング、AIエージェントの実行まで可能な多機能プラットフォームへと進化した。2025年11月、同社はGPT-5.1を発表。この新バージョンは「Instant」と「Thinking」の2種類のモードを提供し、より自然な会話や複雑な推論を可能にした。また、ユーザーのトーンに合わせたカスタマイズ機能も追加された。 一方で、ChatGPTは深刻な課題にも直面した。11月、ミュンヘンの裁判所は、ChatGPTが9曲の楽曲の歌詞を無断で複製したとして、ドイツの著作権法に違反したと判断。この判決は、AIと音楽著作権の法的枠組みに大きな影響を与える可能性がある。さらに、7人の家族がGPT-4oが危険な発言を無視したとしてOpenAIを提訴。23歳の男性が自殺の意図を示した際、AIがその意図を助長したとされ、精神的健康リスクが顕在化した。 OpenAIは対応として、16カ国に「ChatGPT Go」の低価格プランを拡大。インドや東南アジアで月額4.5ドル前後で提供し、AIの普及を加速。また、100万社がOpenAI製品を導入するという記録を達成。米国政府機関向けの「ChatGPT Gov」もリリースされ、公的部門への展開が進んだ。 しかし、成長の陰で懸念も広がる。MITの研究では、ChatGPTを用いた作成作業で脳の活動が著しく低下し、批判的思考能力が低下する傾向が示された。また、青少年の使用が急増。Pew調査によると、13~17歳の26%が学校の宿題にChatGPTを使っている。このため、18歳未満のユーザー向けに、自殺や性的な発言のブロック、親の監視機能を強化。AIによる「AI療法」の非機密性もAltmanCEOが警告した。 技術面では、GPT-5-Codexによるコード生成、AIによる音楽生成の開発、AIブラウザ「Atlas」のリリースなど、新たなサービスが続々と登場。一方で、GPT-4.5のAPI提供終了や、o3モデルのベンチマークスコアの低さなど、モデルの信頼性に関する疑問も噴出。さらに、米国政府とのデータセンター建設プロジェクトや、世界規模でのデータ保存プログラムの導入も進められている。 2025年は、ChatGPTが世界をリードするAIプラットフォームとなった一方で、倫理、法的リスク、安全性への警鐘が高まる年でもあった。OpenAIは「AIを監視する」という課題を、成長とともに常に向き合う必要に迫られている。
