
要約
最近、適切なゴール推定が提供される場合、ゴール条件付きアプローチは人間の軌道予測において非常に有効であることが示されている。しかし、ゴールの推論自体は困難であり、しばしば追加の学習コストを伴う。本研究では、既に観測済みの訓練例を対象とした新たなゴール探索機構を用いて、低コストで得られるゴールエキスパートの指導のもとで歩行者の軌道を予測する手法を提案する。本研究の主な貢献は以下の3点である。第一に、高品質なゴール位置の問い合わせに有用な最近傍例を活用するフレームワークを設計した。このアプローチは自然に多様性(multi-modality)、物理的制約、既存手法との整合性を考慮でき、モデルフリーであるため、通常のゴール推論に伴う追加の学習努力を必要としない。第二に、過去の運動情報とゴール検索を効率的に連携できるエンドツーエンド型の軌道予測器を提案した。この予測器は、動的に将来の可能性のある軌道を推定する機能を備えている。第三に、これらの新規技術を用いて、広く研究されている2つのデータセット(SDDおよびETH/UCY)上で一連の実験を実施した結果、従来の最先端手法を顕著な差で上回る性能を達成するとともに、追加パラメータの必要性を大幅に削減することを示した。