WDCCNet:マンモグラフィ画像分類のための重み付き二重分類器制約ニューラルネットワーク
乳がんの早期発見と早期治療は命を救うことができる。マンモグラフィは、早期乳がんをスクリーニングするための最も効果的な手法の一つである。自動的なマンモグラフィ画像分類手法の導入により、放射線科医の作業効率を向上させることができる。現在の深層学習ベースの手法は、特徴抽出部分の最適化に従来のソフトマックス損失(softmax loss)を用いることが一般的であり、これはマンモグラフィ画像の特徴を学習することを目的としている。しかし、これまでの研究では、標準的なソフトマックス損失では複雑なデータから識別的な特徴を特徴抽出部が学習できないことが示されている。本論文では、新たなネットワークアーキテクチャを設計し、それぞれに適した損失関数を提案する。具体的には、分類器の決定境界を変更することで抽出された特徴の分布を制約する二重分類器ネットワークアーキテクチャを構築した。さらに、決定境界を制約するための「二重分類器制約損失関数(double-classifier constraint loss function)」を提案し、特徴抽出部が識別的な特徴を学習できるようにした。また、二つの分類器のアーキテクチャを活用することで、分類が困難なサンプルの検出が可能となる。そこで、困難なサンプルの特徴学習に特に注目させるために、重み付き二重分類器制約手法を提案した。本研究で提案する手法は、既存の畳み込みニューラルネットワーク(CNN)に容易に組み込むことができ、マンモグラフィ画像分類の性能向上が期待できる。本研究では、3つの公開ベンチマークデータセットを用いて広範な実験を行った。その結果、提案手法は、他の多数の類似手法および最先端の手法と比較しても、3つの公開医療データセットにおいて優れた性能を発揮した。本研究のコードおよび学習済み重みはGitHubにて公開されている。