要約
視覚的画像品質評価(IQA)は、主観的な評価と整合性のある画像品質を計算モデルを用いて測定することを目的としている。過去10年間、心理学者、神経生物学者、およびコンピュータ科学者らは、画像のどの領域が人間の視覚系に最も注目を引きやすいかを解明するため、視覚的注目性(VS)について広く研究を進めてきた。直感的に、VSはIQAと密接に関連しており、閾値を超える歪みは画像のVSマップに大きな影響を与える。この観点から、本研究ではVSを活用したシンプルかつ非常に有効なフルリファレンス型IQA手法を提案する。本研究で提唱するIQAモデルにおいて、VSの役割は二重である。第一に、歪みのある画像の局所品質マップを計算する際の特徴量としてVSを用いる。第二に、品質スコアを統合する際、VSを重み関数として用い、局所領域の重要性を反映する。本研究で提案するIQA指標は「視覚的注目性に基づく指標(VSI)」と命名した。IQAの文脈において、複数の代表的な計算型VSモデルを検討し、その中で最も優れたモデルをVSIに採用した。4つの大規模ベンチマークデータベースを用いた広範な実験により、従来の最先端IQA指標すべてと比較して、予測精度において優れた性能を発揮することが示された一方で、計算複雑度は中程度に抑えられている。VSIのMATLABソースコードおよび評価結果は、オンライン上で公開されており、以下のURLからアクセス可能である:http://sse.tongji.edu.cn/linzhang/IQA/VSI/VSI.htm。