
要約
ドイツ語向けの文法誤り訂正(GEC)システムを開発した。本研究では、小規模な高品質GECコーパス(gold GEC corpus)を、Wikipediaの編集履歴から抽出した編集内容で拡張する手法を採用した。Bryantら(2017)が提案した自動誤りアノテーションツールERRANTをドイツ語用に拡張し、高品質コーパスの正誤訂正およびWikipediaの編集履歴(GrundkiewiczとJunczys-Dowmunt, 2014)を分析することで、高品質コーパスに類似した文法的訂正を含むWikipediaの編集を、追加の学習データとして選定した。さらに、多層畳み込みエンコーダ・デコーダニューラルネットワークを用いたGECアプローチ(ChollampattとNg, 2018)を採用し、Wikipedia編集の貢献度を評価した結果、慎重に選別されたWikipedia編集データを用いることで、性能が5%以上向上することが明らかになった。