要約
動機文献から薬物-薬物相互作用(DDI)を抽出するニューラル手法は、大量のラベル付きデータを必要とする。本研究では、外部の薬物データベース情報および大規模なプレーンテキスト情報を効果的に活用する新たな手法を提案する。特に、薬物データベース情報として、薬物の記述情報および分子構造情報を焦点としている。結果本手法の有効性をDDIExtraction 2013共同タスクデータセットを用いて評価した。以下の成果を得た。第一に、既存モデルと組み合わせることで、大規模な未加工テキスト情報がDDI抽出性能を大幅に向上させ、最先端の性能を達成した。第二に、薬物の記述情報および分子構造情報のいずれかを導入することで、特定のDDIタイプに関してさらに性能向上が見られた。第三に、薬物の記述情報と分子構造情報を同時に活用することで、すべてのDDIタイプにおいて顕著な性能向上が実現した。本研究により、未加工テキスト、薬物の記述情報、分子構造情報の三者が相補的であり、それらを効果的に統合することが性能向上に不可欠であることが示された。