18日前

TSFD-Net:核のセグメンテーションおよび分類のための組織特異的特徴蒸留ネットワーク

{Friso De Boer, Hyongsuk Kim, Sami Azam, Abbas Khan, Zubaer Ibna Mannan, Talha Ilyas}
要約

ヘマトキシリン・エオシン染色された組織画像における核のセグメンテーションおよび分類は、手動染色による不均一性に起因する色調の不一致、核の凝集、およびぼやけたまたは重なり合う核境界といった多様な課題により、困難なタスクである。従来の手法は、核の多角形表現を描画するか、核の重心間の距離を測定することによって核をセグメンテーションするものである。これに対して、我々は組織種別に応じて核の形態学的特徴(外観、形状、テクスチャ)が大きく異なるという事実に着目した。この特徴を活用するため、提案する組織特異的特徴蒸留(Tissue-Specific Feature Distillation; TSFD)バックボーンを用いて、生の病理組織画像から組織特異的(Tissue-Specific; TS)特徴を抽出する。TSFD-Net内に搭載された双方向特徴ピラミッドネットワーク(Bi-directional Feature Pyramid Network; BiFPN)は、TS特徴を活用して強固な階層的特徴ピラミッドを構築し、相互に連結されたデコーダがこれらの特徴を共同で最適化・融合して最終的な予測を生成する。さらに、提案ネットワークの共同最適化および高速収束を実現するため、新たな組み合わせ損失関数を提案する。TSFD-Netの各構成要素の有効性を検証するため、広範なアブレーション研究を実施した。提案手法は、19種類の異なる組織型および5つの臨床的に重要な腫瘍クラスを含むPanNukeデータセットにおいて、StarDist、Micro-Net、Mask-RCNN、Hover-Net、CPP-Netといった最先端手法を上回り、パノプティック品質(panoptic quality)の平均値とバイナリ値でそれぞれ50.4%および63.77%を達成した。