17日前

時系列知識グラフの質問応答におけるサブグラフ推論

{Evangelos Kanoulas, Xinyi Li, Jinzhi Liao, Xiang Zhao, Ziyang Chen}
要約

時系列知識グラフ質問応答(Temporal KGQA)は近年注目を集め、多くの革新的な手法が提案されているが、時系列的KGQAに特化した研究は依然として限られている。既存の多くは意味論的または時系列レベルでのマッチングに焦点を当てており、時間制約に関する推論能力に欠けている。本論文では、人間の認知プロセスに着想を得た、時系列知識グラフ(TKG)上で複雑な質問に答えるためのサブグラフベースのモデルを提案する。本手法は「SubGraph Temporal Reasoning(SubGTR)」と名付けられ、以下の3つの主要モジュールから構成される:隠れ知識の抽出、関連事実の探索、サブグラフ論理推論。まず、質問は時系列知識グラフに保存された背景知識を用いて再定式化され、明示的な時間制約を獲得する。次に、TKGを探索して関連するエンティティを特定し、初期スコアリングを行う。最後に、時間制約を時系列論理を用いて定量化・適用することで、最終的な回答に到達する。モデルの評価のために、時系列QAベンチマークを用いた実験を行った。その結果、既存のベンチマークには多くの擬似時系列質問が含まれており、これによりモデルの推論能力を適切に評価できないことが明らかになった。そこで、CronQuestionsのフィルタリング版である「Complex-CronQuestions」を提案し、複雑な時系列質問に対するモデルの推論能力をより適切に検証できるようにした。実験結果から、SubGTRはCronQuestionsおよびComplex-CronQuestionsの両方で最先端の性能を達成した。さらに、既存の時系列KGQA手法と比較して、エンティティのコールドスタート問題に対する処理能力においても優れた性能を示した。