ユニバーサル・ドメイン適応(Universal Domain Adaptation: UniDA)は、ドメインシフトと未知のカテゴリシフトの両方の下で、ソースドメインの知識をターゲットドメインに転移することを目的とする。その主な課題は、共通クラスのサンプルを特定し、それらを適切に統合することにある。現在の手法は、制約のない連続的な画像表現空間からターゲットドメインの意味的中心を取得する傾向にある。しかし、ドメインシフトおよびクラスタ数の不確実性のため、これらの中心は複雑で頑健性が低いアライメントアルゴリズムをもたらすことが一般的である。本論文では、視覚言語モデルを活用し、意味的に明確で離散的なテキスト表現空間において意味的中心を探索する。制約付きの表現空間により、中心はほとんどドメインバイアスを有せず、適切な意味的粒度を保つことができるため、シンプルかつ頑健な適応アルゴリズムの実現が可能となる。具体的には、テキスト表現を用いたターゲット意味クラスタリング(TArget Semantics Clustering: TASC)を提案する。この手法は情報最大化を統一された目的関数として用い、2段階のプロセスを経る。第一段階では、エンコーダを固定した状態で、グリーディ探索に基づくフレームワークを用いて、ターゲットの意味を最適に表現するテキスト埋め込みの集合を探索する。第二段階では、探索結果を固定した上で、勾配降下法に基づいてエンコーダを微調整することで、頑健なドメインアライメントと個別クラスのクラスタリングを同時に達成する。さらに、UniDAにおけるオープンセットサンプルを検出する目的に特化したスコア関数として、ユニバーサル・マックスイミラリティ(Universal Maximum Similarity: UniMS)を提案する。実験では、4種類のカテゴリシフトシナリオ下でのUniDAアルゴリズムの汎用性を評価した。4つのベンチマークにおける広範な実験結果から、本手法の有効性と頑健性が確認され、最先端の性能を達成した。