要約
本稿では、多スペクトル衛星画像を用いた小規模な水面領域の認識に向けた深層学習アプローチを提案する。この手法は、計算複雑度を18.66倍低減するとともに、水面領域認識の精度を最大14.1%向上させる。提案モデルは、可視光(RGB)と近赤外(NIR)スペクトル画像を組み合わせることで、水面認識の精度を向上させている。また、リモートセンシングデータセットにおいて水面領域は全体のわずかな割合に過ぎないため、データの不均衡問題が生じる。これを解決するため、領域ベースと分布ベースの損失関数を統合する新たな損失関数を導入した。さらに、分布ベースと領域ベースの損失関数間の重み付けを自動的に調整する適応係数を提案する。この適応係数は、前の学習ステップにおける損失値に基づいて決定される。予測領域と真値領域間の平均交差率(mean Intersection over Union, mIoU)は0.80と測定された。