要約
最近の研究では、スペクトル・空間情報を活用することで、ハイパースペクトル画像(HSI)分類の性能を著しく向上させることができることが示された。HSIデータは通常、3次元(3D)キューブの形式で表現される。このため、3D空間フィルタリングは、このような画像内に含まれるスペクトル・空間特徴を同時に抽出するシンプルかつ効果的な手法として自然に適している。本稿では、高精度なHSI分類を実現するための3D畳み込みニューラルネットワーク(3D-CNN)フレームワークを提案する。提案手法は、いかなる前処理や後処理に依存せずに、HSIキューブデータ全体を統合的に扱い、深層的なスペクトル・空間統合特徴を効果的に抽出する。さらに、他の深層学習ベースの手法と比較してパラメータ数が少ないため、モデルが軽量であり、過学習のリスクが低く、学習が容易である。検証のため、異なるセンサーで取得された3つの実世界HSIデータセットを用いて、提案手法と、スタックドオートエンコーダ(SAE)、ディープブリーフネットワーク(DBN)、2D-CNNベースの手法の3つの深層学習ベースのHSI分類手法を比較した。実験結果から、本研究で提案する3D-CNNベースの手法が、既存の最先端手法を上回り、新たな記録を樹立することが明らかになった。