11日前

符号付きグラフ畳み込みネットワーク

{Jiliang Tang, Tyler Derr, Yao Ma}
符号付きグラフ畳み込みネットワーク
要約

今日のデータの多くがグラフとして表現可能であるという点から、グラフデータ向けのニューラルネットワークモデルの一般化に対する需要が高まっている。近年、有望な成果を上げており、注目度が高まっているアプローチの一つが、グラフ畳み込みニューラルネットワーク(Graph Convolutional Networks: GCN)の活用である。GCNは、ネットワーク解析の幅広いタスクにおいて顕著な性能向上を示しており、その一つとしてノード表現学習(node representation learning)が挙げられる。低次元のノード表現を学習するというタスクは、リンク予測やノード分類、コミュニティ検出、可視化など、多数の他のタスクにおける性能向上に寄与することが明らかになっている。一方、ソーシャルメディアの普及に伴い、符号付きネットワーク(正負のリンクを有するグラフ)が一般的になりつつある。しかし、従来のGCNモデルは主に符号なしネットワーク(正のリンクのみを含むグラフ)に焦点を当てており、負のリンクが持つ課題のため、符号付きネットワークへの適用方法が明確でない。主な課題は、負のリンクが正のリンクと異なった意味論的性質を持つだけでなく、その本質的な性質が異なり、正のリンクとの間に複雑な関係を形成する点にある。そのため、本研究では、バランス理論(balance theory)を活用して、符号付きGCNモデルの層間における情報の適切な集約と伝播を実現する、専用かつ原理的なアプローチを提案する。提案手法の有効性を検証するために、符号付きネットワークにおけるノード表現学習を目的とした、最先端のベースライン手法と比較する実証実験を実施した。具体的には、符号付きネットワーク埋め込み手法のベンチマークとして広く用いられる古典的タスクであるリンク符号予測問題を対象とし、4つの実世界データセットを用いて実験を行った。

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