
要約
時系列関係抽出は、イベントペア間の時系列関係を抽出することを目的としており、自然言語理解において極めて重要である。これまでの研究では、グローバルな特徴を捉えることに十分な注力がなされていない。本論文では、文内および文間の両方の関係に適応可能な関係構造特徴を抽出することを目的として、RSGT(Relational Structure Guided Temporal Relation Extraction)を提案する。具体的には、構文的・意味的特徴に基づいたグラフを構築し、関係構造を抽出する。その後、このグラフの表現を学習するため、グラフニューラルネットワークに基づくモデルを提示する。さらに、エンコーダの微調整を図るため、補助的な時系列近傍予測タスクを導入し、より包括的なノード表現を獲得する。最後に、誤って予測されたラベルを修正するための衝突検出・修正アルゴリズムを適用する。MATRESおよびTB-Denseという2つの代表的なデータセットにおける実験結果から、本手法の優位性が示された(MATRESではF1スコア2.3%向上、TB-Denseでは3.5%向上)。