
要約
画像編集ソフト(PhotoshopやMeituなど)の乱用が進む一方で、デジタル画像の信頼性が懸念されるようになっている。一方、オンラインソーシャルネットワーク(OSN)の広範な普及により、改ざん画像を用いた偽ニュースの報道や流言の拡散など、悪意ある情報伝播の主要なチャネルとなっている。しかしながら、OSNが採用する多様な損失付き処理(例:圧縮やリサイズ)は、堅牢な画像改ざん検出技術の実装に大きな課題をもたらしている。本研究では、OSN間で共有される改ざん画像に対抗するため、新たな堅牢な学習スキームを提案する。まず、OSNによって引き起こされるノイズの特性を包括的に分析し、予測可能なノイズと未観測のノイズの2つの部分に分解する。前者はOSNの既知(公開済み)処理によって生じるノイズを模倣するものであり、後者は前者を補完するだけでなく、検出器自体の欠陥も考慮して設計されている。次に、これらのモデル化されたノイズを堅牢な学習フレームワークに組み込み、画像改ざん検出器の耐性を顕著に向上させた。提案手法の優位性を検証するため、多数の実験結果を提示し、最先端の競合手法と比較して優れた性能を示した。さらに、今後の画像改ざん検出技術の発展を促進するため、既存の4つのデータセットと、最も人気のある3つのOSNを基にした公開用改ざん画像データセットを構築した。このデータセットを用いて設計された検出器は、最近開催された証明書改ざん検出コンペティションでトップランクを獲得した。本研究のソースコードおよびデータセットは、https://github.com/HighwayWu/ImageForensicsOSN にて公開されている。