要約
共同エンティティおよび関係抽出は、情報抽出における重要なタスクであり、非構造化テキストからすべての関係三項組を抽出することを目的としている。しかし、従来の多くの研究では、エンティティを抽出する前にそれらのエンティティ間に存在する可能性のある関係情報を考慮していないため、抽出されたエンティティの大部分が有効な三項組を構成できないという問題が生じる。本論文では、異種グラフニューラルネットワークに基づく表現反復統合を用いた関係抽出手法(RIFRE: Representation Iterative Fusion based on Heterogeneous Graph Neural Networks for Relation Extraction)を提案する。本手法では、関係と語をグラフ上のノードとしてモデル化し、メッセージ伝達メカニズムを用いて2種類の意味的ノードを反復的に統合することで、関係抽出タスクに適したより良いノード表現を獲得する。その後、ノード表現を更新した上で関係抽出を実行する。RIFREは、公開されている2つの関係抽出データセット(NYTおよびWebNLG)上で評価された。実験結果から、RIFREは三項組の効果的な抽出が可能であり、最先端の性能を達成することが示された。さらに、RIFREは関係分類タスクに対しても有効であり、SemEval 2010 Task 8データセットにおいて、従来手法を顕著に上回る性能を発揮した。