17日前
オープンワールドトラッキングの開拓
{Laura Leal-Taixé, Aljoša Ošep, Bastian Leibe, Deva Ramanan, Achal Dave, Jonathon Luiten, Idil Esen Zulfikar, Yang Liu}

要約
任意の物体、特にモデル学習中に一度も登場したことがない物体を含めて追跡・検出できる能力は、自律システムにとって重要な課題でありながら、依然として実現が困難な領域である。学習中に一度も遭遇したことがない物体に対して無知な自律エージェントは、現実世界での運用において安全上のリスクを伴うが、現行のほとんどすべてのシステムがこのような状態に陥っている。任意の物体を追跡するというタスクの進展を阻む主な障壁の一つは、このタスクが評価が極めて難しいことにある。既存の研究手法を真正面から比較できるベンチマークがなければ、この重要な研究分野の前進は不可能である。本論文では、この評価の不足に取り組み、開かれた世界(open-world)設定における既知・未知の両方の物体を検出・追跡するための全体像と評価手法を提示する。新たに提案するベンチマーク「TAO-OW(Tracking Any Object in an Open World)」を用いて、マルチオブジェクト追跡における既存手法を分析し、本タスクに対するベースラインを構築するとともに、今後の課題を明示する。本研究が、マルチオブジェクト追跡分野における新たな展開を切り開き、現実世界で安全に動作可能な知能システムの実現に一歩近づくことを期待する。