要約
現在、医療・健康モノのインターネット(Internet of Health and Medical Things)において広く採用されているアプローチは、個人の身体活動を定期的にモニタリングすることで疾患の発症を予防するものであり、その背景として、人間の行動認識(Human Activity Recognition, HAR)および行動分析が重要な研究分野となっている。スポーツ行動認識(Sports Activity Recognition, SAcR)は、HARの一分野として、アスリートの運動行動を特定することを目的としている。このような行動のモニタリングには、コンピュータビジョン、環境センサ、ウェアラブルセンサの3つの主な手法が用いられている。これらの手法の利点と限界を総合的に検討した結果、ウェアラブルセンサが最も実用的であることが明らかになった。本研究では、わずか651パラメータで構成される、加算層を効率的に活用する新しいモデル「Mukhtasir-Khail-Net」を提案する。このモデルは、ウェアラブルセンサから得られる慣性センサデータを用いて6種類のスポーツ行動を認識する際、平均98.865%の高い精度を達成した。ベンチマークとして、フォードハム大学が提供するHARデータセット「WISDM 11」においても本モデルを評価した結果、94.24%の認識精度を達成し、既存手法との比較においても優れた性能を示した。