要約
3次元点群から表面法線を推定することは、表面再構成やレンダリングなど、さまざまな応用において重要である。既存の法線推定手法は、法線の変化が緩やかな領域では優れた性能を発揮するが、法線が急激に変化する領域ではその性能が低下する傾向にある。この問題に対処するため、本研究では法線の変化モデリングをエッジ検出問題として捉えることで、法線変化領域における推定精度を向上させる新しいアプローチ、MSECNetを提案する。MSECNetは、バックボーンネットワークとマルチスケールエッジ条件付き(MSEC)ストリームから構成される。MSECストリームは、マルチスケール特徴の統合と適応型エッジ検出により、頑健なエッジ検出を実現する。検出されたエッジは、エッジ条件付きモジュールを用いてバックボーンネットワークの出力と統合され、エッジに注意を払った表現が生成される。広範な実験により、MSECNetは合成データセット(PCPNet)および実世界データセット(SceneNN)の両方で既存手法を上回る性能を発揮するとともに、著しく高速な処理が可能であることが示された。さらに、MSECストリーム内の各モジュールの寄与を詳細に分析した。最後に、本手法が表面再構成への有効性を実証した。