
要約
CNNは影検出において顕著な進展を遂げたが、暗い非影領域および相対的に明るい影領域では誤検出を起こしやすく、明るさの変化に敏感であるという問題がある。これらの現象から、深層影検出器が明度情報(intensity cue)に強く依存していることが明らかとなり、本研究ではこれを「明度バイアス」と呼ぶ。本論文では、この明度バイアスを軽減するための新たな特徴分解・再重み付けスキームを提案する。本手法では、自己教師学習(self-supervision)を用いて、多段階統合特徴を明度に依存する成分と明度に依存しない成分に分解する。その後、これらの二種類の特徴に対して再重み付けを施すことで、対応する潜在的な意味構造に適切な注目を再配分し、両者のバランスの取れた活用を実現する。3つの代表的なデータセットを用いた広範な実験により、提案手法が最先端の影検出手法を上回ることを示した。