要約
機械学習を活用したネットワークセキュリティは、5Gコンポーネントのセキュリティ強化に大きく貢献する可能性がある。しかし、一般的な機械学習によるネットワークセキュリティの推論処理には数十から数百ミリ秒の遅延が生じるため、5G運用において顕著なレイテンシが発生する。この推論レイテンシを低減するためには、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のプログラマブルロジックに機械学習モデルを配置する方法が有効であるが、その代償として精度にわずかな損失が生じる。本研究では、この精度損失を定量的に評価し、プログラマブルロジック実装におけるベースラインの推論レイテンシを確立するため、異なる2種類のFPGA評価基板にオートエンコーダおよびβ変分オートエンコーダを実装し、NVIDIA A100グラフィックス処理ユニット(GPU)実装との精度および性能を比較検証した。また、評価の一環として、10種類の攻撃と正常なトラフィックを含む公開されている5Gデータセットを用いた。