11日前

胸部CTスキャンからの肺結節検出および分類に向けた転移学習を用いたRetinaNetの応用

{Tjeng Wawan Cenggoro, Suryadiputra Liawatimena, Ivan William Harsono}
要約

肺がんは、肺結節という悪性病変によって引き起こされる世界で最も一般的な死亡原因の一つであり、臨床的には主に放射線科医による画像診断によって診断される。しかし、病院における医療画像の継続的な流入により、放射線科医は検査の「量」を重視する傾向にあり、結果として質の低下を招いている。この作業環境下では、肺結節と類似した解剖学的構造(例:腫大したリンパ節など)の誤解釈が生じやすく、悪性肺結節の検出感度および正確性が低下し、診断の遅延につながることが、患者にとって致命的であることが明らかになっている。この問題に対処するため、本研究では「I3DR-Net」と呼ばれる1段階検出器(one-stage detector)を用いた新規な肺結節検出・分類モデルを提案する。本モデルは、事前学習済みの自然画像重みを有するInflated 3D ConvNet(I3D)をバックボーンとして採用し、特徴ピラミッドネットワーク(Feature Pyramid Network)と組み合わせることで、多スケール3D胸部コンピュータ断層撮影(CTスキャン)データセットに対応している。I3DR-Netは、肺結節のテクスチャ検出タスクにおいて、公開データセットおよび非公開データセットの両方で顕著な性能を発揮し、mAPはそれぞれ49.61%および22.86%、AUC(曲線下面積)は81.84%および70.36%を達成した。さらに、悪性結節の検出・分類タスクにおいて、従来の最先端モデルであるRetina U-NetおよびU-FRCNN + mean average precision(mAP)を上回り、それぞれ7.9%および7.2%の向上(57.71% vs. 49.8% vs. 50.5%)を実現した。