
要約
2次元細胞培養の定着したプロトコルと光顕微鏡を組み合わせることで、生物学的現象を高スループットで定量的にイメージング研究することが可能になる。画像中の個々の細胞を正確にセグメンテーションすることは、複雑な生物学的課題の探求を可能にするが、コントラストが低く、対象物の密度が高い場合には、高度な画像処理パイプラインの導入が求められる場合がある。深層学習に基づく手法は、画像セグメンテーションにおいて最先端とされているが、通常、膨大な量のラベル付きデータを必要とし、特にラベルフリー細胞イメージング分野では、そのようなデータリソースは存在しない。本研究では、位相差画像から構成され、160万個以上の細胞を含み、多様な細胞形態および培養密度をカバーする、大規模かつ高品質で手動でアノテーションされ、専門家による検証が行われたデータセット「LIVECell」を提示する。さらにその有用性を示すために、LIVECellを用いて畳み込みニューラルネットワーク(CNN)ベースのモデルを学習し、提案する一連のベンチマークを用いてモデルのセグメンテーション精度を評価した。