要約
コンピュータビジョン分野における深層学習手法の著しい成果に伴い、ハイパースペクトル画像(HSI)分類へのこれらの強力なツールの応用を目的とした研究がますます増加している。これまでの大多数の手法は、深層特徴を抽出するために事前学習段階と微調整段階を経るが、このアプローチは時間的に非常に膨大なコストを要する上に、大量の学習データに大きく依存しているという課題がある。本研究では、画像からランダムに抽出したパッチを学習なしで畳み込みカーネルとして直接用いる、効率的な深層学習ベースの手法、すなわち「ランダムパッチネットワーク(RPNet)」を提案する。RPNetは浅層および深層畳み込み特徴を統合することで、マルチスケール特性を有しており、異なる物体が異なるスケールを持つHSI分類に適応性が高いという利点を持つ。実験では、提案手法およびその2つの変種(RandomNetおよびRPNet–single)を3つのベンチマークHSIデータセット上で評価した。実験結果から、従来手法と比較して、RPNetが競争力のある性能を達成することが示された。