
要約
最近の木構造ベースのニューラルモデルは、数学文章問題(MWP)の解法式生成において有望な成果を示しているが、これらのモデルの多くは数量間の関係性や順序情報の捉え方が不十分である。その結果、数量の表現が不十分となり、誤った解法式が生成される傾向がある。本論文では、グラフベースのエンコーダーと木構造ベースのデコーダーの長所を統合した新しい深層学習アーキテクチャ「Graph2Tree」を提案する。本フレームワークには、数量セルグラフ(Quantity Cell Graph)と数量比較グラフ(Quantity Comparison Graph)の2種類のグラフが含まれており、既存手法の限界を克服するため、MWPにおける数量間の関係性および順序情報を効果的に表現することを目的として設計されている。我々は2つの公開データセットを用いて広範な実験を行った。実験結果から、Graph2Treeは2つのベンチマークデータセットにおいて、最先端のベースラインを顕著に上回ることが明らかになった。さらに、事例研究を通じて、Graph2TreeがMWPのテキストを解法式に変換する際の有効性を実証的に検証した。