18日前

複数のデータセットにわたる糖尿病網膜症検出の説明可能でエンドツーエンドのディープラーニング

{Moulay A. Akhloufi, Mohamed Chetoui}
要約

目的:糖尿病性網膜症(DR)は、数年間にわたり糖尿病を有する人々に生じる網膜病変を特徴とする疾患であり、世界中で視覚障害の主な原因の一つである。この疾患の診断には、眼科医が網膜眼底画像を手動で解析する必要がある。コンピュータ支援診断システムは、網膜画像上でDRを自動検出することで、医師の負担を軽減し、貴重な時間とコストを削減することができる。本研究の目的は、網膜眼底画像におけるDR検出が可能な深層学習アルゴリズムの開発である。提案手法の効率性を評価するために、9つの公開データセットおよび9万枚以上の画像が用いられた。さらに、深層モデルが検出するDRの所見を視覚的に示すための説明可能性(explainability)アルゴリズムも開発した。手法:提案する深層学習アルゴリズムは、事前に学習された深層畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を微調整して、DRの検出に用いる。モデルは、学習率をウォームアップ付きのコサイン減衰戦略で徐々に低下させる手法を用いて、EyePACSデータセットのサブセット上で学習させ、訓練精度の向上を図った。9つのデータセットに対して評価実験を実施した。また、勾配重み付きクラス活性化マッピング(Grad-CAM)に基づく説明可能性アルゴリズムを開発し、モデルが網膜画像をDRと分類するために選択した所見を視覚的に可視化した。結果:提案ネットワークは、EyePACSデータセットにおいて、AUC = 0.986、感度(sensitivity)= 0.958、特異度(specificity)= 0.971という高い分類性能を達成した。MESSIDOR、MESSIDOR-2、DIARETDB0、DIARETDB1、STARE、IDRID、E-ophtha、UoA-DRの各データセットでは、それぞれAUCが0.963、0.979、0.986、0.988、0.964、0.957、0.984、0.990であった。結論:得られた結果は、従来の公開データセットのみを用いた学習に依拠する既存の研究を上回る最先端の性能を達成しており、本手法の有効性を示している。提案手法は、眼底画像の分類およびDRの検出において高い堅牢性を示した。さらに、開発した説明可能性モデルにより、本モデルがDRのさまざまな所見を効率的に識別し、疾患を検出できることを確認した。