17日前

ENSeg:顕微鏡画像における腸管神経細胞のセグメンテーションのための新規データセットおよび手法

{Yandre Maldonado e Gomes da Costa, Jacqueline Nelisis Zanoni, Isadora Goulart Garcia, Loris Nanni, Gustavo Zanoni Felipe}
要約

腸内神経系(Enteric Nervous System: ENS)は、慢性的な変性疾患が腸内神経細胞(Enteric Neuron Cells: ENCs)に及ぼす影響を解明するため、研究者たちが高度な手法を駆使する動的な研究分野である。このような研究は、明確に定義された各細胞を手動で選択・セグメンテーションする必要があり、形態計測および定量解析に多大な人的労力を要する。しかし、ラベル付きデータの不足およびそのデータが持つ特異的な性質により、既存の手法は文献上での適用範囲が限定されている。こうした課題に対応するため、本研究では専門家によるラベル付けが施されたENCを含む新規データセット「ENSeg」を提案する。このデータセットは187枚の画像と9709個の個別にアノテーションされた細胞を収録している。さらに、自動インスタンスセグメンテーションモデルとSegment Anything Model(SAM)アーキテクチャを統合するアプローチを導入し、人間の介入を可能にしつつも高い効率性を維持する。YOLOv8、YOLOv9、YOLOv11モデルを用いてセグメンテーション候補を生成し、それらを融合プロトコルを通じてSAMアーキテクチャと統合した。最良の結果として、YOLOv8(候補選択)とSAM、および入力ポイントプロンプトを強化する融合プロトコルを組み合わせた場合、平均DICEスコア(mDICE)が0.7877を達成した。本研究で示された統合手法は、単独のセグメンテーションモデルと比較して優れたセグメンテーション性能を発揮することが実証された。本研究の貢献として提供されるこのデータセットは、研究コミュニティに開放されており、今後の研究に活用されることを期待している。