要約
感情認識は、感情計算(Affective Computing)および人間-コンピュータインタラクション(HCI)分野において重要な課題である。近年、さまざまな機械学習モデルが感情認識分野において顕著な進展をもたらしている。本研究では、多層パーセプトロン(MLP)を用いたEEGに基づく感情認識のためのフレームワークを提案する。感情の評価(Valence)と覚醒(Arousal)のスケールに基づいて、パワースペクトル密度(Power Spectral Density, PSD)特徴量を用いて感情を定量的に表現し、MLPを分類器として採用する。さらに、遺伝的アルゴリズム(Genetic Algorithm)を用いてMLPのネットワーク構造を最適化する。提案モデルは以下の2つの分類タスクにおいて高い性能を示した:(a)低/高評価(Low/High Valence)および低/高覚醒(Low/High Arousal)の2クラス分類において、それぞれ平均精度91.10%および91.02%を達成した。また、(b)高評価-低覚醒(HVLA)、高評価-高覚醒(HVHA)、低評価-低覚醒(LVLA)、低評価-高覚醒(LVHA)の4クラス感情分類において、83.52%の精度を実現した。得られた結果は、既存の文献における報告値と比較しても優れた性能を示しており、本手法の有効性が確認された。