要約
高光譜画像(HSI)におけるピクセルに対する予測タスクは、分類器の学習に用いる特徴量を丁寧に設計する必要がある。しかし、生成された分類マップは、物体の境界や詳細面で元の画像と顕著な差異を示す「過剰平滑化(over-smoothing)」問題に悩まされることがある。この問題に対処するために、我々はスペクトル・空間・バンド相関(SSBC)特徴量を抽出する手法を提案した。SSBC特徴量では、スペクトルと空間情報を統合して抽出するプロセスを、離散コサイン変換(DCT)に基づく情報圧縮として捉え、3次元画像からの統合的スペクトル・空間情報の蒸留(distillation)に伴う高コストを回避するためにフラット化(flattening)操作を導入している。しかしながら、このプロセスは抽出された特徴量にスペクトル情報の損失を引き起こす可能性がある。本研究では、抽出された特徴量により多くのスペクトル情報を含ませることが、分類マップにおける過剰平滑化問題を解決する鍵であると主張する。したがって、HSIデータにおけるバンド相関特徴抽出に際して、正規化差分植生指数(NDVI)および酸化鉄(iron oxide)を改良し、追加のスペクトル情報を導入した。これは、これらの指標が2つのスペクトルバンドの計算に依存しているため、HSIに特有の豊富なスペクトルバンド数に対して適切でないという点に起因する。4つの実際のHSIデータセットを用いた実験結果から、提案手法により過剰平滑化問題が顕著に軽減され、かつ従来の最先端ディープ特徴量と同等の分類性能が達成されたことが確認された。