12日前

ECoGからの深層学習を用いた指の軌道のデコード

{Abhishek Prasad, Odelia Schwartz, Ziqian Xie}
要約

目的。従来の脳-機械インターフェース(BMI)におけるデコーディングパイプラインは、特徴抽出、時周波数解析、統計学的学習モデルといった連鎖的な複数ステージから構成されており、各ステージで異なるアルゴリズムが逐次的に訓練されるため、システム全体の適応性が困難であった。本研究の目的は、単一の目的関数と単一の学習アルゴリズムを用いて、全体として並列に学習可能な適応型オンラインシステムを構築し、デコーディング性能を向上させることであった。ここでは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)と、長短期記憶(LSTM)と呼ばれる特殊な再帰型ニューラルネットワーク(RNN)を組み合わせた深層ニューラルネットワークを用いて、これらの課題に対応した。アプローチ。本研究では、Kubanekらが収集した脳皮質電位(ECoG)データを用いた。タスクは視覚的ヒントに応じた個別指の屈曲運動であった。提案モデルは、階層的特徴抽出を実行するCNNと、時系列データを処理し、神経信号における時間的ダイナミクスを認識可能なRNNを組み合わせた。CNNは特徴抽出器として、LSTMは信号の時間的動態を捉える回帰アルゴリズムとして機能した。主要な成果。ECoG信号を用いて指の軌道を予測し、最小角度回帰(LARS)、CNN-LSTM、ランダムフォレスト、ハードコーディングされた特徴を用いたLSTMモデル(LSTM_HC)、およびバンドパスフィルタリング、エネルギー抽出、特徴選択、線形回帰から構成される従来のデコーディングパイプラインと比較した。その結果、深層学習モデルが一般的に用いられる線形モデルよりも優れた性能を示した。特に、深層学習モデルは滑らかで現実的な軌道を生成するとともに、運動状態と安静状態の間の遷移を学習する能力も有していた。意義。本研究は、畳み込み層と再帰層を組み合わせたBMI用のデコーディングネットワークを提示した。このネットワークは、特徴抽出プロセスを畳み込み層およびプーリング層に統合し、LSTM層を用いて状態遷移を捉えることを可能とした。提案されたネットワークは、デコーディングパイプラインの各ステップで別々にモデルを訓練する必要を排除した。システム全体を確率的勾配降下法(SGD)を用いて統合的に最適化でき、オンライン学習が可能な点が大きな意義を持つ。

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