要約
知識グラフのリンク予測というタスクについて検討する。与えられた質問がソースエンティティと関係(例:シェイクスピアとBornIn)から構成される場合、目的は最も可能性の高い答えとなるエンティティ(例:イングランド)を予測することである。近年のアプローチは、エンティティおよび関係の埋め込み(embedding)を学習することでこの問題に取り組んでいる。しかし、これらの手法は埋め込み間の関係を加法的(additive)に制約する傾向がある。具体的には、埋め込みを連結し、線形関数と要素ごとの非線形関数を複数段階で処理する形となる。本研究では、このような相互作用形式が表現力に著しい制限をもたらすことを示す。例えば、各関係ごとにソースエンティティの異なる投影(projection)を用いる必要があるようなケースに対応できない。この制限を克服するために、文脈依存パラメータ生成(contextual parameter generation)を採用する。より具体的には、関係をソースエンティティを処理して予測を生成する際の文脈と見なし、関係の埋め込みを用いてソースエンティティ埋め込み上で動作するモデルのパラメータを生成する。これにより、エンティティと関係の間におけるより複雑な相互作用を表現可能となる。本手法を既存の2つのリンク予測手法(そのうち1つは現在の最先端手法)に適用した結果、顕著な性能向上が得られ、このタスクにおける新たな最先端性能を達成した。さらに、収束時間も最大で28倍短縮されるという利点も同時に達成した。