16日前
シングルドメイン一般化のためのセンター認識型 adversarial augmentation
{Mathieu Salzmann, Zijian Wang, Mahsa Baktashmotlagh, Tianle Chen}

要約
ドメイン一般化(Domain Generalization, DG)は、複数の訓練ドメイン(すなわちソースドメイン)から学習したモデルが、異なる分布に従う未観測のテストデータ(すなわちターゲットドメイン)に対して良好に一般化できるようにすることを目的としている。近年、訓練時に1つのソースドメインしか利用できない、より挑戦的でありながら現実的な設定に対応する「単一ドメイン一般化(Single Domain Generalization, SingleDG)」が注目されている。既存のSingleDG手法は、主にデータ拡張戦略に基づいており、ドメイン外のサンプルを拡張することでソースデータの分布を広げることを目的としている。一般的に、これらの手法は分類器を混乱させるような難易度の高いサンプルを生成することを目指している。しかし、このようなアプローチでは、小さな摂動に対しては分類器のロバスト性は向上するものの、大規模なドメインシフトを再現するには十分な多様性を持たない生成サンプルが得られやすく、結果として最適な一般化性能が達成されない傾向にある。この問題を緩和するために、本研究では、新たな角度中心損失(angular center loss)を用いて、ソースサンプルをクラス中心から遠ざけるように変形することで、ソース分布を拡張する「センター意識型敵対的拡張技術」を提案する。提案手法の有効性を、複数のSingleDGベンチマークデータセット上で広範な実験を実施し確認した結果、大多数のケースにおいて従来の最先端手法を上回る性能を達成した。