
要約
野生環境で撮影された本物の劣化画像に対する盲目的画像品質評価(BIQA)は、常に大きな課題であった。これは、実世界で撮影された画像には多様なコンテンツや種々の劣化タイプが含まれるためである。これまでの大多数のBIQA手法は、合成画像の品質を予測する方法に焦点を当てており、実世界の劣化画像に適用すると効果を発揮できない。この課題に対処するため、本研究では野生環境下の画像品質を盲目的に評価するための自己適応型ハイパーネットワークアーキテクチャを提案する。本手法では画像品質評価プロセスを、コンテンツ理解、知覚規則の学習、品質予測の3段階に分離する。まず画像の意味情報を抽出した後、ハイパーネットワークにより適応的に知覚規則を構築し、その後その規則を品質予測ネットワークに適用する。本モデルでは、画像品質が自己適応的に推定可能であるため、多様な野生環境下で撮影された画像に対して良好な汎化性能を発揮する。実験結果から、本手法は挑戦的な本物画像データベースにおいて最先端手法を上回る性能を示すとともに、合成画像データベースにおいても競争力ある性能を達成していることが確認された。なお、本手法は合成画像の評価を明示的に目的として設計されていないにもかかわらず、そのような性能を示している。