
要約
グラフニューラルネットワーク(GNN)は、さまざまな実世界のタスクにおいて広く研究されてきた。しかし、GNNの集約関数が仮定する同質性(homophily)の前提は、異質性グラフ(heterophily graphs)における表現学習能力を制限している。本論文では、グラフ内のパスレベルのパターンに注目し、それらが豊かな意味的・構造的情報を明示的に反映できることを示す。そこで、同質性グラフと異質性グラフの両方に対応できるよう、GNNの一般化を目的とした新たな構造意識型パス集約型グラフニューラルネットワーク(PathNet)を提案する。具体的には、まず構造的文脈を含む複数のパスを効果的にサンプリングするための最大エントロピーパスサンプラーを導入する。次に、順序保持性と距離意識性を備えた構造意識型再帰セルを設計し、近傍の意味情報を学習する。さらに、パスの符号化後、異なるパスがターゲットノードに与える影響の好み(preferentiality)をモデル化する。実験の結果、本モデルは異質性グラフおよび同質性グラフの両方において、ノード分類タスクで顕著な性能向上を達成した。