16日前

マルチスケールCNNとLSTMモデルを用いた軸受故障診断

{D. Gao, B. Zhang, X. Chen}
要約

信号解析に基づく知能型故障診断手法は、軸受の故障診断において広く用いられている。これらの手法は、事前に定義された変換手法(例:経験モード分解、高速フーリエ変換、離散ウェーブレット変換など)を用いて時系列信号を周波数領域の信号に変換し、診断システムの性能は抽出された特徴量に大きく依存する。しかしながら、信号特徴量の抽出は計算時間が多く、専門的な信号処理知識を要するという課題がある。一部の研究では高い精度を達成するアルゴリズムが開発されているが、その診断結果は大規模なデータセットに強く依存しており、人為的な分析の信頼性も不安定な場合がある。本研究では、原始的な振動信号を入力として用い、異なるカーネルサイズを持つ2つの畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を活用して、原始データから異なる周波数成分の特徴を自動的に抽出する、自動特徴学習型ニューラルネットワークを提案する。その後、学習された特徴に基づいて長短期記憶(LSTM)を用いて故障種別を識別する。入力前にデータをダウンサンプリングすることで、ネットワークのパラメータ数を大幅に削減している。実験の結果、本手法は98.46%の平均精度を達成し、事前知識に基づく最先端の知能型アルゴリズムを上回るとともに、ノイズ環境下でも優れた性能を発揮することが示された。