17日前

AttentionSiteDTI:NLP文レベル関係分類を用いた解釈可能性を備えたグラフベースモデルによるドラッグ-ターゲット相互作用予測

{Ozlem Ozmen Garibay, Sudipta Seal, Craig J Neal, Elayaraja Kolanthai, Aida Tayebi, Niloofar Yousefi, Mehdi Yazdani-Jahromi}
要約

本研究では、タンパク質の結合部位と自己注意(self-attention)機構を活用することで、薬物-標的相互作用予測の課題に取り組む解釈可能なグラフベース深層学習予測モデル「AttentionSiteDTI」を提案する。本モデルは自然言語処理(NLP)分野における文分類モデルに着想を得ており、薬物-標的複合体を、タンパク質ポケットと薬物分子といった生化学的実体間の関係性を持つ文として扱う。AttentionSiteDTIは、薬物-標的相互作用に最も寄与するタンパク質結合部位を特定することで、予測結果の解釈可能性を実現している。3つのベンチマークデータセットにおける実験結果から、現在の最先端モデルと比較して優れた性能が示された。特に重要なのは、従来の研究とは異なり、新しいタンパク質に対して評価した場合でも優れた性能を発揮し、高い汎化能力を示した点である。多分野連携により、本手法の実用的潜在能力をさらに実験的に評価した。具体的には、まず候補化合物と標的タンパク質間の結合相互作用を計算機的に予測し、次にその対について実験室で結合相互作用の有無を検証した。計算予測結果と実験的に観測(測定)された薬物-標的相互作用との間に高い一致が得られたことから、本手法が薬物再利用(drug repurposing)における効果的な事前スクリーニングツールとしての可能性を示している。