17日前

AnoDDPM:シンプレックスノイズを用いたノイズ除去拡散確率モデルを用いた異常検出

{Chris G. Willcocks, Sebastian M. Schmon, Adam Leach, Julian Wyatt}
AnoDDPM:シンプレックスノイズを用いたノイズ除去拡散確率モデルを用いた異常検出
要約

生成モデルは、正常な参照データを学習することで、異常検出に強力な手法を提供することが示されている。この学習により得られた正常データを基準として、異常度をスコアリングする基盤とすることができる。本研究では、非教師付き異常検出に向け、ノイズ除去拡散確率モデル(Denoising Diffusion Probabilistic Models, DDPM)を検討する。DDPMは、生成対抗ネットワーク(GAN)と比較して優れたモードカバレッジを示し、変分自己符号化器(VAE)よりも高いサンプル品質を持つ。しかし、その一方で、長時間のマルコフ連鎖シーケンスを必要とするため、スケーラビリティが低く、サンプリング時間が長くなるという課題がある。本研究では、再構成に基づく異常検出において、完全な長さのマルコフ連鎖拡散は必ずしも必要ではないことに着目した。これに基づき、高解像度画像にもスケーラブルな新たな部分拡散異常検出戦略を提案し、AnoDDPMと命名した。また、二次的な課題として、ガウス拡散では大きな異常を十分に捉えられないことが明らかになった。そこで、ターゲットとなる異常サイズを制御可能なマルチスケール単体ノイズ拡散プロセスを提案した。T1強調MRI画像22例(CCBS Edinburghデータセット)を用いた腫瘍データに対する評価において、単体ノイズを用いたAnoDDPMは、定量的および定性的な両面でf-AnoGANおよびガウス拡散を顕著に上回った。具体的には、Sorensen-Dice係数が+25.5%、IoUが+17.6%、AUCが+7.4%の改善が確認された。