
要約
既存の知識ベース質問応答(KBQA)手法の多くは、アプローチ固有の前提や評価対象とする知識ベースが異なる場合に非自明な変更が必要なため、特定の知識ベースに限定して設計されている。しかし、多くの代表的な知識ベースは、その下位スキーマにおいて類似性を共有しており、これを利用して複数の知識ベース間での一般化を実現することが可能である。本研究では、意味解析と知識ベースとの相互作用を明示的に分離する2段階アーキテクチャに基づくKBQAフレームワークを提案する。この構造により、データセットおよび知識グラフ間での転移学習が容易になる。実験の結果、異なる知識ベースで事前学習を行っても、性能の著しい向上とサンプル複雑性の低減が達成されることを示した。本手法は、LC-QuAD(DBpedia)、WebQSP(Freebase)、SimpleQuestions(Wikidata)、MetaQA(Wikimovies-KG)の各ベンチマークにおいて、比較的高い性能または最先端の性能を達成した。