
要約
現在の大多数のニューラルネットワークに基づくタスク指向対話システムは、エンコーダ-デコーダ枠組みに従っており、デコーダが入力テキストにのみ依存して単語列を生成するため、不安定性や読みにくさといった問題に直面している。従来のテンプレートベースの生成手法に着想を得て、本研究では知識ベースのタスク指向対話システム向けに、テンプレートをガイドとするハイブリッドポインタネットワークを提案する。このモデルは、事前に構築されたドメイン特化型対話リポジトリから、関連性の高い複数の候補回答(ガイド回答)を検索し、それをエンコーディングおよびデコーディングプロセスの両方に組み込む。具体的には、検索された回答と正解応答との間の意味的相関を最大限に活用できるように、ゲーティング機構を備えたメモリポインタネットワークモデルを設計した。本モデルは、1つのシミュレーションデータセットおよび3つの手動で作成されたデータセットを含む、4つの広く用いられているタスク指向対話データセット上で評価された。実験結果から、自動評価指標の観点で、提案手法が既存の最先端手法を顕著に上回る性能を達成することが示された。