11日前

心筋梗塞の検出および局在化に向けた新しいパターン認識手法:1サイクルの心電図信号から抽出されたT波積分および総積分を特徴量として用いる

{Naser Safdarian, Gholamreza Attarodi, Nader Jafarnia Dabanloo}
心筋梗塞の検出および局在化に向けた新しいパターン認識手法:1サイクルの心電図信号から抽出されたT波積分および総積分を特徴量として用いる
要約

本稿では、心臓左室における虚血性心筋梗塞(MI)の検出および局在化を目的として、正常および患者の心電図(ECG)信号1サイクルから抽出した2つの新規特徴量、すなわちT波積分値および1サイクル全体の積分値を用いた。前回の研究では体表面電位マップ(Body Surface Potential Map: BSPM)データから得られる特徴量を用いてMIの検出と局在化を試みたが、標準心電図(standard ECG)の普及度が高いため、本研究では標準ECGに基づくMI検出と局在化に焦点を当てた。T波積分値を特徴量として採用したのは、T波の形態変化がMIにおいて重要なインジケーターであるためである。また、本研究の第2の特徴量として、1ECGサイクル全体の積分値を用いた。これは、MIがECG波形の形態に影響を及ぼすと考えられ、その結果、全体積分値に変化が生じると仮定したからである。MIの検出と局在化には、正常信号と異常信号の分類において高い精度を示す特徴量認識手法として、人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network: ANN)を採用した。特に、非線形性の優れた特性を持つ径間基底関数(Radial Basis Function: RBF)の一種である確率的ニューラルネットワーク(Probabilistic Neural Network: PNN)を用い、さらにk近傍法(k-Nearest Neighbors: KNN)、多層パーセプトロン(Multilayer Perceptron: MLP)、ナイーブベイズ分類器(Naive Bayes Classification)といった他の分類器も比較検証した。学習およびテストデータとして、PhysioNetデータベースを活用した。その結果、MIの局在化においてテストデータで76%以上の精度を達成し、MIの検出においては94%以上の精度を獲得した。本手法の主な利点は、簡便性と高い分類精度にある。また、本手法にさらに特徴量を追加することで、さらなる精度向上が可能である。本研究では、標準ECGから抽出したわずか2つの特徴量のみを用いるシンプルな手法を提案し、その高いMI局在化精度を示した。

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