
要約
本研究では、RR間隔に基づく心房細動(AF)の自動検出手法を提示する。ここで、ΔRRは連続するRR間隔の差分を表す。MIT-BIH心房細動/心房粗動データベースのデータから、RR間隔およびΔRR間隔の標準密度ヒストグラムを決定する。本手法は、コルモゴロフ–スミルノフ(KS)検定を用いて、標準密度ヒストグラムと最適な密度ヒストグラムとの類似度を評価する。アルゴリズムは、与えられたヒストグラム間の差の有意性(p値)を出力する。p値が閾値(P_c)未満の場合、検定用の密度ヒストグラムは標準密度ヒストグラムと有意に異なると判断される。一方、検定用ヒストグラムが標準ヒストグラムと有意に異なることがない場合、そのデータはAFと判定する。標準ΔRR密度ヒストグラムを用い、P_c = 0.01とした場合、平均感度は93.2%、平均特異度は96.7%であった。