要約
背景:マラリアはマラリア原虫(Plasmodium)によって引き起こされる深刻かつ致死的な疾患であり、世界中で年間60万例以上の死亡を引き起こしている。適切な治療のためには、マラリア原虫の早期かつ正確な検出が不可欠であるが、従来の顕微鏡検査には変動性の高さと効率性の低さといった課題が存在する。方法:本研究では、深層学習と注目メカニズム(attention mechanism)を活用した新たなコンピュータ支援検出フレームワークを提案する。このフレームワークは、YOLO-SPAMおよびYOLO-PAMモデルを拡張したものであり、マラリア原虫の全感染段階における検出および分類を可能にするとともに、複数種の同定をサポートする。結果:本フレームワークは、3つの公開データセットを用いて評価された結果、4種類の異なるマラリア原虫およびそのライフサイクル段階の検出において高い精度を示した。最先端の手法と比較した分析結果から、検出率および診断的有用性の両面で顕著な向上が確認された。結論:本研究は、自動化されたマラリア検出を実現する堅牢なソリューションを提示し、病理医への支援を提供するとともに、実際の臨床現場における診断実践の質を向上させる可能性を示している。