
要約
ドローンを用いた正確な人物位置特定は、大規模なイベントや公共集会に限らず、日常的な都市部の混雑状況のモニタリングにおいても、効果的な群衆管理に不可欠である。高解像度のドローン画像を用いた微小物体の位置特定に従来の手法は、画像スケーリングやスライディングウィンドウ技術の制約により、精度および効率面で限界に直面していることが多くある。こうした課題に対応するため、点指向型物体位置特定に特化した新規アプローチが提案される。本アプローチに加え、個々の画素から一括で空間情報を抽出することで高精細画像の処理を強化する「Pixel Distillモジュール」も導入されている。さらに、現代のドローン応用に適した新たなデータセット「UP-COUNT」を公開した。このデータセットは、画像取得過程におけるカメラと物体の同時移動といったドローン画像における多様な課題に対応しており、群衆管理応用の能力を飛躍的に向上させるものである。提案手法を自らのデータセットおよび広く用いられているDroneCrowdデータセット上で包括的に評価した結果、既存手法と比較して本手法の優位性が明確に示され、ドローンを活用した群衆物体位置特定タスクにおける実効性が裏付けられた。これらの改善により、アルゴリズムの現実世界における適用可能性が顕著に向上し、動的環境下での個人の信頼性の高い位置特定および人数カウントが可能となる。