
要約
連続正規化フロー(CNF)は、表現力豊かな無限長アーキテクチャを用いてデータ分布をモデル化できるが、最尤推定学習において常微分方程式(ODE)を解くという計算コストの高いプロセスを伴う。最近提案されたフローマッチング(FM)フレームワークは、補間された前向きベクトル場を用いた回帰目的関数を活用することで、学習フェーズを大幅に簡素化できる。本論文では、モデル化するベクトル場に関する明示的な仮定を必要としない、補間を用いない双方向フローマッチング(DFM)手法を提案する。DFMは、前向きベクトル場モデルに加えて、逆向きのベクトル場モデルも最適化する新たな目的関数を用いることで、前向きおよび逆向きの変換の逆写像性(bijectivity)を促進する。SMAPにおける非監督型異常検出の実験結果から、DFMは最尤推定またはFM目的関数に基づくCNFと比較して優れた性能を示し、最先端の性能指標を達成していることが明らかになった。